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成年後見制度の基礎|司法書士が解説する利点とプロセス

認知症や知的障害、精神障害を理由に、一人で財産管理ができない人をサポートするのが成年後見制度です。

この記事では成年後見制度の概要と利用するための流れ、利用するメリットについて解説します。

成年後見制度の概要

成年後見制度は、一人で物事の判断ができない人の権利や財産を守るために、援助者を選び法律的に支援する制度です。
判断能力の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」の3つの類型があり、判断能力が欠けているのが通常の状態の場合は「後見」、判断能力が著しく不十分な場合は「保佐」、判断能力が不十分な場合は「補助」とされます。

「後見」と判断された人には成年後見人、「保佐」と判断された人には保佐人、「補助」と判断された人には補助人が選任されます。

成年後見制度を利用するための流れは?

成年後見制度を利用するには、家庭裁判所に審判の申立てを行います。
申立てができるのは、以下の人です。

● 本人
● 配偶者
● 四親等内の親族
● 成年後見人等
● 任意後見人
● 成年後見監督人等
● 市区町村長
● 検察官

家庭裁判所に申立てをする際には、以下の書類を提出します。
申立書類一式は、裁判所のホームページからダウンロードもできます。

● 申立書類一式(申立書、申立事情説明書、親族関係図、本人の財産目録及びその資料、本人の収支状況報告書及びその資料、後見人等候補者事情説明書、親族の同意書)
● 本人及び後見人等候補者の戸籍謄本
● 本人及び後見人等候補者の住民票
● 本人の登記されていないことの証明書
● 本人の主治医による診断書
● 療育手帳(愛護手帳等)の写し(知的障害の場合)
● 申立て費用(800円分の収入印紙)
● 登記費用(2600円分の収入印紙)
● 郵便切手(各家庭裁判所ごとに違うので要確認)

成年後見人、保佐人、補助人になるには特別な資格は不要で、家庭裁判所が審査をし、申立人や成年後見人等の候補者へ面接するなどして選任します。

ただし、民法で定められている欠格事由に該当する人はなることができません。
具体的には以下のとおりです。

● 未成年者
● 破産者
● 本人に対して訴訟をしている者、過去に訴訟をしたもの、およびその配偶者と直系血族
● 行方不明の者
● 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人、補助人

成年後見制度を利用するメリットは?

成年後見制度を利用するメリットは、詐欺などの被害にあうことを防げる点、預貯金の管理がしっかりできる点などが挙げられます。
また相続人の一人が認知症で相続手続きが進まなかった場合、成年後見制度を利用すれば、手続きが進められる点も大きなメリットです。

成年後見に関することは、まきの司法書士事務所にご相談ください

成年後見制度を利用するにあたっては、ぜひ司法書士を候補者として考えてみてください。

成年後見人になると、年に1回、家庭裁判所に業務の報告をしなければいけません。
そのための書類作成には時間と手間がかかりますが、司法書士に依頼することで複雑な業務から解放されます。
成年後見制度の利用を考えている方は、まきの司法書士事務所にお気軽にご相談ください。